近年、製造現場である工場へのサイバー攻撃の脅威が高まっています。すでに世界中で工場を標的にしたサイバー攻撃は発生しており、攻撃のために長期間操業停止に追い込まれたりするという深刻な事例が発生しています。生産ラインがストップしてしまうと、企業としては大きな痛手をこうむることになり、下手をすると倒産なんてことにもなりかねません。製造現場のサイバーセキュリティ能力を高めることは現在喫緊の課題といえるのですが、まだその重要性をよく分かっていない人も多いようです。

工場のサイバーセキュリティ対策が遅れている背景には、製造現場にはサイバー攻撃は来ないだろうという間違った認識があるからかもしれません。たしかに一昔前の製造現場は、ネットワークに接続されていないことが多かったので、サイバー攻撃とは無縁でした。しかし現在では、製造現場にもネットワークに接続される機器がたくさん導入されるようになってきています。ネットワークに接続されてしまえば、常にサイバー攻撃の危険性があるものだと考えてセキュリティ対策を講じていかなければいけません。

なかには、うちの工場はネットワークに接続されていないからサイバー攻撃は関係ないと考える人もいるでしょう。しかし、ネットワークに接続されていなくても、IT機器などを導入している場合は、外部から持ち込まれたUSBメモリなどを経由して攻撃されてしまうリスクもあります。現代においては、工場のサイバーセキュリティを無視することはできません。